私は2022年の5月上旬からゼロから独学で勉強を始め、2022年の11月上旬に行政書士試験を受け、合格しました。
その合格体験記をベースに、アドバイス・反省点なども含めながら半年間どういう風に過ごしていたかを書きたいと思います。
「行政書士試験」についての話がメインです。
行政書士って??
行政書士は、官公署(各省庁、都道府県庁、市・区役所、町・村役場、警察署等)に提出する書類の作成、同内容の相談やこれらを官公署に提出する手続について代理することを業としています。
(日本行政書士連合会HP https://www.gyosei.or.jp/information/service/より引用)
端的に言うと、行政に関わる公的な書類を作る仕事ということです。
その他にも仕事内容は多岐にわたりますが、「行政と市民とのかかわりを書類作成を通じてサポートする」くらいに捉えれば問題ないです。
行政書士試験の概要(簡略)
受験資格
誰でも受験でき、11月の第2週日曜日に試験が行われます。
試験内容
受験科目は大きく分けて基礎法学・憲法・行政法・民法・商法、会社法と行政書士の業務に関し必要な基礎知識(一般知識)です。
マークシートの択一式選択問題が54問
多肢選択式問題が3問
記述式問題が3問です。
試験の出題形式などは変更する可能性があるので、公式ホームページなどで最新情報をチェックしてくださいね。
試験の配点
選択式が計240点、記述式が計60点の合計300満点の試験です。
6割の点数(180点)を取れば合格ですが、法律科目で5割以上、一般常識を約4割以上とる必要があります。
合格率
合格率は例年10%前後で、令和5年度は13.98%でした。
試験についての詳しい情報は「行政書士試験研究センター」のHPをご覧ください。
筆者の事前知識
「独学で半年合格」といっても、勉強前の状態は人によって様々です。
正確な情報をお伝えするために、筆者の勉強前の知識レベルを記述します。
法律関係の知識
行政書士勉強前の法律知識はほぼゼロでした。
法律の知識と言えば、「20歳で成人になる(現在は18歳)」、「物を盗んだらダメ」、「人をだましてはいけない」といった常識レベルです。
民法と行政法の知識はほぼ皆無です。会社法は大学生の時に少しだけかじったことがあります。ただ、行政書士試験で出題される分野はほとんどやっていませんでした。
その他
普段から新聞は読んでいます。また、元々ITの勉強をしていたので一般常識に出てくるIT関連(2、3問程度)はほぼ確実に正解しています。
そういった点で、一般常識においては少し有利だったと思います。
最初の約2か月の過ごし方
最初の2か月間は市販のテキストをただ読んでいました。
しっかり集中して読んでいるときもあれば、野球を見ながら読んでいるときなどもありました。
ながら勉強が多かったです。
私が読んでいたのは「うかる!行政書士総合テキスト」(伊藤塾)」 です。
受かった後だから言えますが、行政書士試験合格には、どこのテキストを使うかはあまり重要ではないと思います。
どのテキストを使うにしても、それをやりこむことが大切だと思います。
約1ヶ月でテキストを1回読み終わりましたが、初見での理解度は3割くらいでした。
もう一度読み直して理解度が5割くらいになりました。
この段階では詰まったら先に行ってしまった方がいいです。
先に進んだ後、戻ってみたときに「ああこういうことか」とわかったりします。
2か月後~4か月後の過ごし方
勉強開始から約2か月後の7月中旬にLECの「到達度確認模試」を受けました。
LECは「模試パック」というのに申し込むと6回分の模試が受けられます。
市販の模試などを家で解けばいいと思っている方は多いと思いますが、
最低2,3回は会場に模試を受けに行った方がいいです。
記述の採点や時間感覚などは模試でないと感じられません。また、忖度もないので、冷静に自分の実力を見られます。また、模試の復習は最高の勉強です。
自分で記述の採点をすると、「だいたい合ってるからいいじゃん」と思いがちです
私の模試の結果を見ると、正答率で言えば4割くらいでした。
「このままじゃまずい」と思い、勉強時間を増やし、より細かいところまでしっかり覚えることを意識しました。
「分かっていたけど間違えた」はだいたい分かってないです(笑)
模試を受けてみて、以下の課題を見つけました
この課題を意識して、TAC行政書士講座の「みんなが欲しかった! 行政書士の判例集」を読みました。
「ホンマかいな」と思う判例はチェックを入れて何回も読むようにしました。
このころは伊藤塾の「うかる!行政書士 総合問題集」を解いていました。間違えたところをWordでまとめ、印刷してすぐ見直せるようにファイリングしていました。
間違えたところは理解度が低かったり、自分にとって覚えにくいところだったりするので、
何回も復習した方が効率的です。
また、空き時間などで行政書士試験研究会の「合格革命 行政書士 一問一答式 出るとこ千問ノック一問一答」で知識の穴を埋める勉強をしていました。
行政書士試験の勉強法についてはこちらにまとめてあるので、是非ご覧ください
4か月目~6か月目(試験前)
LECの模試をたまに受けながら、市販の問題集と模試を解いていました。
間違えたところはWordにまとめて、印刷してファイリングするというのは継続してやっていました。
10月入ってようやく記述対策を始めました。
正直遅すぎました。
一般常識対策として「ニュース検定公式テキスト 「時事力」発展編(1・2・準2級対応)」を読み、線を引くなどしました。
そうやっていくうちに少しずつ模試の成績も上がってきました。
行政書士試験当日
当日の朝少し勉強してから会場に行きました。
入室すると、携帯電話などの電子機器は袋に入れるように指示されます。
試験は思ったより早く終わったので見直しをしていました。
見直しは大切ですが、見直ししすぎると合っている回答も間違っているように思えてくるので、1,2回見直せば十分だと思います。
自己採点をしたい人は選択肢に〇をつけておくなどしておきましょう。
私は現実逃避のために自己採点はしませんでした笑
試験結果
試験を受けて気づいたこと
記述問題の採点は思ったより厳しいです。
「ニュアンスがあっているから、そこそこ点が貰えるかな」といった問題もありましたが、実際にはほぼ解答通りに答えた問題しか点が貰えていませんでした。
模試の記述の採点よりもはるかに厳しいです。
つまり、記述問題の点数はあまり見込まない方がいいということです。
やった方が良かったと思うこと・反省
記述の対策
先ほども書きましたが、早めにやっておいたほうが良かったです。「大体あってるからOK」ではなく模範解答とほぼ同じの解答を書けるようにしていないといけないと思いました。
行政法の条文の定着
行政法の条文はほぼ全部暗記するくらいのつもりでやるべきでした。
民法にのめりこみすぎた
民法でいい点を取ろうとし過ぎて、勉強の配分を間違えました。
もちろんいい点を取るに越したことはないですが、行政法が基本だということを忘れていました。
商法・会社法を軽視しすぎた
4問しかないので、そこまで時間を割いていませんでしたが、せめて2問は合わせられるように勉強しないといけないなと思いました。
商法・会社法で3問以上落とすと、他の問題が間違えられないというプレッシャーになります。
試験勉強の費用(目安)
通信の行政書士講座(スタディングやフォーサイト)が約6万円でした。
そこから自分で教材をいくつか買うことを考えると、(自分の場合)独学は4万円程度安いと考えられます。
まとめ・感想
行政書士試験に法律知識ゼロから半年・独学で合格した合格体験記とその中身を詳しく書きました。
独学は大変ですが、自分で調べたり、考えたりする分、ただ教えてもらうよりも力になる部分はあると思います。
この記事が少しでも役に少しでも立てば幸いです。
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