ITの勉強をし始めた方が一番最初に受ける試験として、ITパスポート試験と基本情報技術者試験があります。
どちらも、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家資格です。
ただ、受けたことがない方からすると、違いが分かりにくいのが実情です。
そこで、ITパスポート試験と基本情報技術者試験の両方に合格している筆者が、両方の試験の違い、どちらを受けるべきかを経験を踏まえて徹底的に解説します。
ITパスポート試験の概要
ITパスポート試験はIT技術やそれを運用するための不可欠な基礎知識を問う試験です。
コンピュータの構成、ネットワーク、セキュリティなどのIT技術、マネジメント、ビジネス分野について問われます。簡単なアルゴリズムの問題も出題されます。
そこまで深い知識が問われることはなく、どちらかといえばITの教養や基本的なビジネスへの理解に主点が置かれています。
テストはCBT形式で、会場でパソコンを使って試験を受けます。全て選択式です。
申し込めば毎月受けることができます。
試験情報
出題形式 | 多肢選択式(CBT) |
出題数 | 100問 |
時間 | 120分 |
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者はIT技術者として、基本的な知識を体系的に身につけているかを問う試験です。
出題範囲自体はITパスポートと大きく変わるわけではありませんが、IT技術に関する問題の割合が多く、マネジメントやビジネス関連の問題がやや少なめになっています。
テストはCBT形式で、会場でパソコンを使って試験を受けます。全て選択式です。
試験は科目Aと科目Bがあります。科目Aは基本的な知識を問う問題で、科目Bはアルゴリズム、つまり「処理の仕組み」を考える問題です。
科目Bは慣れないと少し大変に感じる方がいるかもしれません。
試験情報
科目A
出題形式 | 多肢選択式(CBT) |
出題数 | 60問 |
時間 | 90分 |
科目B
出題形式 | 多肢選択式(CBT) |
出題数 | 20問 |
時間 | 100分 |
難易度を比較
ITパスポート試験は合格率が50%で、基本情報技術者は30%程度です。
そのため、基本情報技術者の方が難しい試験ということになります。
また、IT系の人はほとんどITパスポートを受けずに、基本情報技術者を受けます。
その点を考えても、基本情報技術者の方が難易度は高いと言っていいでしょう。
勉強時間を比較
ITパスポート試験
ITパスポート試験はそこまで覚えることが多くないため、1~2ヶ月程度で十分合格水準に達することができます。
時間にすると50時間程度です。
基本情報技術者
基本情報技術者は覚えることがITパスポートの倍程度あります。また、アルゴリズムの負担も大きいため、やや大変です。
ゼロから始める場合は200時間程度、4~6ヶ月程度かかります。
ITパスポートを勉強していた場合は50時間程度は短縮できます。
筆者はITパスポート合格の後4ヶ月くらいで合格しました
ITパスポート試験と基本情報技術者試験の違いは?
ITパスポート試験と基本情報技術者試験で試験範囲が大きく変わるわけではありません。
基本的な違いは覚える量とアルゴリズムの比重でしょう。
両者の違いを把握した上で、どちらの試験を受けるか決めるべきです。
どっちを受けるべき?
IT技術者を目指す場合
IT技術者を目指す場合は「基本情報技術者」を受けるべきです。
筆者はITパスポートを経由しましたが、正直あまり必要ないと思います。
というのも、基本情報技術者試験でITパスポートの範囲がカバーできるため、わざわざ狭い範囲の方をやる必要はありません。
ITの教養を身に付けたい方(非IT系)
ITパスポート試験を受けた方がいいと思われます。
ITパスポート試験くらいの内容を知っておけば「必要最低限はITの知識がある」くらいの立ち位置にはなれます。
もちろん、基本情報技術者を受けてもいいですが、そこまで簡単な試験ではないですし、非IT系の方は業務で直接IT技術の知識が細かく問われることもないでしょう。
ある程度大雑把にITパスポート試験で知識を身につけておけばいいかと思われます。
ITパスポート試験に合格した後、もし必要なら基本情報技術者を受けてみてください。
まとめ
今回はITパスポート試験と基本情報技術者試験の違いやどちらを受けるべきかを紹介しました。この記事を参考にして、自分が受けるべき試験を見つけてみてください。