基本情報技術者試験はITの基本的な知識を問う試験で、エンジニアの登竜門の試験の1つです。
理系の学生にも人気の資格であり、今最も注目されている資格のうちの一つと言えます。
しかし、基本情報技術者は「意味ない」という方が一定数います。
本当に意味がないのでしょうか。
受けなくていいんじゃ…?
そう決めつけるのは早いわよ
そこで、基本情報技術者、応用情報技術者に合格した筆者が、「本当に基本情報技術者は意味ないのか」を解説します。
基本情報技術者が「意味ない」と言われる理由
①取得後、すぐにプログラムを作れるわけではない
基本情報技術者を習得したとしても、「すぐに」プログラムやシステムを作れるわけではありません。
そこから、プログラミングやサーバ、データベースなどの個別の知識が必要になります。
ところが、「基本情報技術者=プログラミング」と安易に結びつけてしまう人が一定数いるため、「基本情報技術者をとっているのにプログラミングできない」といった不満が出てしまいます。
あくまで「基礎知識の有無」を確認する試験なのよ
②実務経験がなくても合格できる
基本情報技術者試験は実務経験がなくても勉強すれば合格できます。
筆者も大学生で合格したらしい
そのため、基本情報技術者に合格しても「現場の知識」があるとは限りません。
趣味でプログラミングをやるのと、仕事でエンジニアとしてプログラミングをするのは全く違います。
こういった理由から「基本情報技術者を持っているのに使えない」となってしまいます。
③使わない知識も出題される
基本情報技術者試験には、少し古い知識が出題されたり、実際にはあまり使われない技術なども出てきます。
そのため、「こんなの使わねーよ」という方が出てきてしまいます。
ただ、試験を作る側もできるだけ最新のトレンドに合わせようという意思はあるようです。
筆者が「基本情報技術者は意味がある」と思う理由
「勉強して受かったから意味があると言っているだけ」と思う方もいるかもしれません。
その側面も否定はしませんが、実際に「基本情報技術者は意味がある」と思います。
その理由を紹介していきます。
就職・転職に有利
「基本情報技術者」を持っているだけで「ある程度勉強しようという意思がある」という証明になります。また、少なくとも少しはセキュリティやシステムについての知識がある、ということが担保されているため、採用する側にプラスに働くでしょう。
営業や経理などの文系でも、基本情報技術者を持っていることによって「ITのことをちゃんと分かっている人」(実際にどうかはともかく)と多少は印象が良くなるはずです。
給料が上がる
一部のIT系などでは、基本情報技術者を持っていることで資格手当がもらえます。金額としては月5000円から1万円程度です。
年6万から12万円アップと考えると、結構嬉しいですよね。
やっぱりお金は大事
プログラミングやシステム開発の勉強がスムーズになる
基本情報技術者を取ったからといって、すぐにプログラミングやシステム開発ができるわけではありません。
しかし、基本情報技術者で学んだ「アルゴリズム」「サーバ」「データベース」などの知識はとても役に立ちます。
普通の人がゼロから勉強するよりもかなりアドバンテージがあると言えるでしょう。
「ビジネス関連の知識の勉強もできる」
エンジニアにも「文系」の知識がある程度必要です。
「技術特化」で極められればそれでもいいですが、大抵の人はちゃんと経済やビジネスの知識があった方がいいです。
例えば、銀行のシステムを作るにしても、「金融の仕組み」などの知識があるのとないのとでは、全く違います。
基本情報技術者では、ビジネス関連の知識も出題されます。基本情報技術者試験の勉強の中で、多少の知識の習得が見込めるでしょう。
基本情報技術者はどんな人が取るべき?
基本情報技術者をとった方がいい人
若手エンジニアと学生(文系理系問わず)
自分のやる気をアピールしたり、自分が最低限ITのことを分かっていることを証明するために便利です。
エンジニアの場合は今後の成長や基本知識の確認にもつながります。
管理職の人
管理職の人がITに疎いと生産性が落ちたり、取り返しのつかないミスが起きたりします。
文系出身の管理職が、IT部門の人員を安易に削減してシステムトラブルが多発するニュースなどは日常茶飯事です。
「文系だから」は通用しない世の中よ
基本情報技術者を取らなくてもいい人
中堅エンジニア
基本情報技術者よりは応用情報技術者以上の資格を取るべきです。
基本情報技術者の合格者は平均年齢が25歳です。
30歳前後のエンジニアが基本情報に合格してもあまりプラス評価にはならないでしょう。
受けるなら「応用情報技術者」やそれ以上のレベルの試験に合格する方がいいでしょう。
まとめ
今回は基本情報技術者が「意味ない」と言われる理由と「合格する意味」を書きました。
資格を受けるかどうかに関わらず、ITの世界では勉強し続ける姿勢が大切です。
その一助として資格試験を利用しましょう。