IT技術者なら受けておきたいのが「基本情報技術者試験」と「応用情報技術者試験」。
文系だと「応用情報の方が簡単」なんて声もよく聞きます。
どっちを受ければいいのでしょうか。
筆者は文系出身ですが、基本情報技術者も応用情報技術者も合格しています。
この記事では、各試験の違いに加え、「目的」に合わせて「どの試験を受けるべきか」などを解説しています。
基本情報技術者の概要と合格率
基本情報技術者は「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」(IPAのサイトより引用)とされています。
IT技術者としての基礎知識を図る試験です。
コンピュータやシステム開発、セキュリティなどの基礎知識を問われます。
令和5年度より試験制度が変わります。科目A試験と科目B試験があり、科目Aと科目Bは共に選択式です。
科目Aは主に知識を問う問題で60問を90分で解きます。
科目Bはプログラミングやアルゴリズムの問題が20問で制限時間は100分です。
アルゴリズムの問題の過去問はこんな感じです。
CBT方式といって、会場で用意されたパソコンで試験を受けます。
合格率は4割から5割程度です。
応用情報技術者の概要と合格率
「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」とされています。(IPAサイトより引用)
IT技術者としての基礎知識に加え、それらの応用力を問う試験です。
午前試験と午後試験があります。午前試験は知識を問う選択式の80問で、午後試験は11問中5問(第一問は必須)を選択して解答します。両試験で6割以上の点数を取れば合格になります。
午後の選択問題は、以下の11問から5つ選びます。(実際に選べるのは4つ)
1 情報セキュリティ (必須) | 2 経営戦略 |
3 プログラミング | 4 システムアーキテクチャ |
5 ネットワーク | 6 データベース |
7 組み込みシステム開発 | 8 情報システム開発 |
9 プロジェクトマネジメント | 10 サービスマネジメント |
11 システム監査 |
応用情報技術者試験の合格率は25%前後です。
2つの試験の違い
2つの試験をざっくり比較してみました。参考にしてください。
基本情報技術者
毎月受けられる
選択式問題のみ
アルゴリズムの問題が必須
応用情報技術者
春秋の年2回
午後は記述問題あり
アルゴリズムやプログラミングを避けることも可能
「基本情報」「応用情報」どちらを受けるべき?
IT技術者(プログラマ・エンジニア)を目指す人(文系でも)
基本情報技術者を最初に受けましょう。
アルゴリズムはIT技術者にとって必須です。結局やることになるので、この機会にやっておきましょう。
ステップを踏んで応用情報に行った方が基礎からしっかり身に付きます。
文系でIT技術者を目指さない人
難しい判断ですが、個人的な考えでは応用情報技術者でも問題ないです。
基本的に、応用情報はマネジメント系の問題であれば、「読解」で結構正解できます。
ただ、午前問題の難易度は基本情報よりも少し高いので、よく検討が必要です。
基本情報の場合は毎月受けられるので、複数回受ける余裕がある場合は基本情報の方がいいかもしれません。
理系でIT技術者を目指さない人
基本情報技術者をお薦めします。
アルゴリズムの問題は、理系の方であれば少し勉強すればできるようになります。
いきなり応用情報に行くメリットがほぼないと思われます。
まとめ
基本情報技術者、応用情報技術者は共に簡単な試験ではないですが、文系の方は「あえて」応用情報を受けた方がいい場合もあります。
「少しだけ」アルゴリズムをやってみてどちらを受けるか決めてみてもいいかもしれません。