今回は応用情報技術者の過去問の解説です。平成25年度秋期の午前問題の問39になります。
デジタル署名に関する問題です。丁寧に解説していきます。
デジタル署名とは
デジタル署名とは、電子文書に特殊なデータを付与することで、その文書が本人によって書かれたものであること、そしてその文書が改ざんされていないことを証明するものです。
オンラインでさまざまな文書をやり取りをする上で、別の人が文書作ったり、別の人が書き換えたりすることを防ぐ技術として重要です。
デジタル署名の仕組み
デジタル署名には公開鍵暗号方式が使われています。
デジタル署名に使われる公開鍵暗号方式を見てみましょう。
AくんがBさんに文書を送るとします。
Aくんは2つの鍵を持っています。
公開鍵と秘密鍵です。公開鍵は「誰でも使える」鍵だと思ってください。
秘密鍵は本人しか使うことができない鍵です。
①送信者の秘密鍵で鍵をかける
送信者のAくんの秘密鍵で文書に鍵をかけます。
「秘密鍵」なので鍵をかけられるのはAくんしかいないことがポイントね
②Aくんが鍵をかけた文書をBさんに送る
③Bさんが文書をAくんの公開鍵で開ける
BさんはAくんの公開鍵を使って文書を開けます。
ちゃんと開けられれば「公開鍵がちゃんと使える」つまり「Aくんが秘密鍵で鍵をしたもの」であると証明できます。
また、途中で中身が書き換えられると公開鍵が使えなくなってしまうので、改ざんされていないことも証明できます。
まとめてみると次のような感じになります。
答え
デジタル署名において,発信者がメッセージのハッシュ値からデジタル署名を生成するのに使う鍵はどれか。という問題でしたので、
エの「発信者の秘密鍵」が正解です。
まとめ
応用情報技術者の平成25年秋期午前問39の「デジタル署名」について解説しました。
普通の公開鍵暗号方式と逆なので、やや戸惑いますが、わかっていれば大したことありません。
大切な知識なので、しっかり学習しましょう。