行政書士試験の試験合格のためには、条文を使った学習をすることが望ましいです。
しかし、民法などは条文が多いため全てを覚えるのは非常に困難です。
そこで、行政書士試験に半年で合格した筆者が、最低限覚えるべき条文を紹介していきます。
特に覚えるべき箇所を色付きで強調しています。
今回は民法の3回目です。取得時効や占有のところを取り上げます。是非学習に役立ててくださいね。
紹介した条文でなくても、テキストに載っているものは内容を理解してください。
行政書士試験に覚えるべき条文
取得時効(162条)
第百六十二条 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。
取得時効の要件をしっかり覚えておきましょう。
占有開始時に善意無過失であれば期間が10年になることも押さえておきましょう。
消滅時効(166条・167条)
第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。
第百六十七条 人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一項第二号の規定の適用については、同号中「十年間」とあるのは、「二十年間」とする。
消滅時効の要件をしっかり覚えておきましょう。
人の生命または身体の侵害による損害賠償請求権に関しては20年間行使しなければ消滅するということを押さえておきましょう。
即時取得(192条)
第百九十二条 取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
即時取得の要件を覚えておきましょう。
要件に占有改定が含まれないことも覚えておきましょう。
占有回収の訴え(200条~)
第二百条 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
2 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない
第二百一条 占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
2 占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。
3 占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。
占有回収の訴えの提起期間を覚えておきましょう。占有回収の訴えが一番大切ですが、占有保持の訴えや占有保全の訴えについても覚えておいてください。
まとめ
今回は前回の続きで行政書士試験で最低限覚えるべき条文について解説していきました。
是非、行政書士試験の対策に生かして下さい。