何が出るのか分からない行政書士試験の一般常識。
対策が難しいですが、ニュースや新聞である程度は対策できます。
高校生の時から日経新聞を読んでいる筆者が、2024年度(令和6年度)の行政書士試験に出てくる可能性が高い時事ニュースを5つ詳しく解説します。
ぜひ試験対策に役立ててくださいね!!
東証再編(超重要)
2022年4月4日、東京証券取引所(東証)は今までの「東証1部」「東証2部」「マザーズ」「JASDAQ(ジャスダック)」という区分を廃止し、市場区分を「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3つの新しい市場区分へと再編しました。
区分というのは、野球だと「一軍」「二軍」、サッカーだと「J1」「J2」みたいなものです。
東証1部ってそもそもどういうもの?
東証1部というのは超強い企業が株を売買する市場、東証2部はそれなりに強い企業が株を売買する市場、JASDAQやマザーズはこれから成長期待の企業が株を売買する市場です。
東証1部で株を売買するには、厳しい基準をクリアする必要があります。そのため、「東証一部上場企業」というのはそれだけで箔がつくわけです。
履歴書でも一部上場企業での実績をアピールしますよね!
なんで再編するの?
ただ、ここには問題がありました。「一部上場企業」はすごい企業であることは間違いないものの、トヨタ自動車のような年間何兆もの利益を生み出す企業もあれば、数十億程度の企業もあります。
一部上場企業の中でも、その規模の差が大きすぎるわけです。
特に海外の投資家には「東証一部だけど大したことないって、どういうことや??」と思っている人が多かったわけです。
そのため、主に海外の投資家のために、基準を少し厳しくしました。より精鋭部隊の市場を作り、海外からの投資を呼び込もうとしています。
また、マザーズとジャスダックは似たものどうしのようなところがあり、正直株をやっている人でもあまり違いがよくわかりませんでした。
そういった背景があり、東京証券取引所は市場を精鋭部隊の「プライム」、普通の部隊の「スタンダード」、新鋭部隊の「グロース」と分けました。
問題はないの??
問題はあります。
「プライム」は東証一部より基準が厳しくなっていますが、「言うほど厳しくなっていない」という問題があります。
東証1部上場企業は約2200社でしたが、プライムは1839社でスタートしました。9割弱は東証一部に残ったわけです。
これが本当に「精鋭」なのかといった疑問が出ているわけですね。
また、「経過措置」という制度があります。
例えば東証一部に上場していた企業が「プライム市場」に上場したい場合、基準を満たしていなくても、上場したいところにとりあえず上場できるという制度です。
この場合、「適合計画書」というものを提出し、一定期間内に本来の基準を満たす必要があります。
この問題は「一定期間」が明確でないということです。
「一定期間」というのは会社によって異なります。
そのため、上場基準を満たしていない企業が、「一定期間」を悪用して上場し続ける可能性があるわけです。(長すぎると東京証券取引所が対策するとは思いますが)
結局、市場に「基準を満たしている企業」と「基準を満たしていない企業」が混在し、投資家にとっては不便な状況になってしまいます。
メタバース
メタバースというのはバーチャル空間やそこで提供されるサービスのことです。
イメージとしては、今皆さんが生活されている世界に近いものをそのままインターネット上で再現するということです。
つまり、そこで普通に人と交流したり、買い物したり、遊んだりすることができるというわけです。(まだ現状そこまで行ってませんが)
パソコンやスマホ上で操作するというよりは、本当に自分がその世界に入り込んだような感覚で生活できます。(AR・VRなどの技術を用います)
AR:拡張現実。現実世界に映像や画像を重ねて表示する技術のこと
例えば自分の部屋の中にどらえもんを映し出すといったもの。
VR:仮想現実。コンピュータによって作られた映像をあたかも現実のように味わえる技術。
メタバースの世界では「アバター」と呼ばれる自分の分身を操作して暮らします。直接自分の体がインターネットに行けるわけではないので、分身を送り込むわけですね。
インターネット上なので、例えばAmazonなどの通販サイトと連携してスムーズに買い物したりもできますし、世界中の人とも交流できます。
東京大学にメタバース工学部ができるという話があったり、広告代理店がメタバース広告を販売したりして、とても注目度が高いです。
リフィル処方箋
リフィル処方箋とは、複数回使える処方箋のことです。
リフィル(refill)というのは詰め替え用品という意味です。
日本では、高齢化に伴い、医療費の拡大が問題となっています。
そこで、2022年4月から医師や薬剤師の判断のもと、一枚の処方箋で複数回薬をもらうことができるようにしました。
日本では「いつもの薬をもらうためだけに受診する」人も少なくありません。(私もそうです)
しかし、そんな場合でも診察料の7割が健康保険料の負担となってしまいます。こういった費用を抑えるということが目的ですね。
ただ、「健康状態の把握が難しくなる」といった医師からの反対もあります。
年金制度の改革
年金制度改正法によって2022年4月から年金制度の改革が行われました。
主に4つをおさえておきましょう。
被用者保険の適用範士が拡大
従来、短時間労働者への社会保険の適用の条件が「従業員数501人以上」でしたが、2022年10月から「従業員数101人以上」に変わります。
在職老齢年金制度の見直し
60~64歳は、年金の基本月額と月収の「合計額が28万円」(65歳以上は47万円)を超えると年金が全部または一部停止となっていました。2022年4月からは、65歳未満も「合計額が47万円」までは年金を満額受け取れるようになりました。政府が高齢者の労働を推進しているわけですね。
年金の受給開始年齢の選択肢が拡大
従来は、年金受け取り開始年齢は65歳を基本として、60~70歳まで自由に選ぶことができましたが、2022年4月より「60~75歳」となります。
早く貰えば年金の月額が減りますし、遅く貰えば年金の月額が増えます。どの場合でも、死亡まで毎月同じ額が支給されます。
確定拠出年金の加入・受給開始可能年齢の引き上げ
従来、企業型確定拠出年金は65歳未満までに加入、iDeCoは60歳未満までに加入が条件でしたが、2022年5月からは企業型確定拠出年金は70歳未満、iDeCoは65歳未満になりました。
また受給開始に関しては、どちらも「60~70歳の間」でしたが、2022年4月からは「60~75歳の間」に変更されます。
成人年齢の引き下げ
成人年齢が18歳になりました。
選挙権は18歳でしたが、その他の権利も18歳から得られるようになりました。また、お酒やタバコは20歳からで変わりません。
そのため、株の売買やクレジットカードの契約、ローンなどを18歳から一人でできるようになりました。
それに伴って、高校の家庭科の授業で金融教育の授業が始まりました。
高校生は、家庭科で投資や資産形成の基礎を学ぶことになります。
また、婚姻可能年齢が男女共に18歳になりました。
この結果、「成年擬制」という制度がなくなりました。
成年擬制というのは、未成年でも結婚していれば成人と同様に扱われるという民法上の規定です。
また、未成年の婚姻の際に必要だった親の同意が必要なくなりました。
一般常識のおすすめ教材
ニュース検定のテキストがおすすめです。写真付きで、時事のニュースが詳しく載っています。
普段ニュースや新聞を見ている方でも知らなかったことがあると思うので、読んでおいた方が無難です。
最後に
2023年の行政士試験の一般常識に出そうな内容を5つピックアップしました。
これら全てを避けて問題を出すのは難しいと思います。
自分でも調べてみるなどして、理解を深めていってくださいね!!